皆さんこんにちは!ゆとり薬局です。
今回は少し視点を変えて、先日経営破綻を発表したレナウンについて決算書を見ていきたいと思います。
レナウンといえばアパレル大手で老舗メーカーですよね!?なぜ彼らは経営破綻してしまったのでしょうか。
決算書からレナウンの破綻を見抜けるかどうか考察していきたいと思います。
今回もバフェット基準に基づき、売上高、当期利益、ROE、ROA、財務健全性、割安性などで評価していきたいと思います。

Contents
レナウンのビジネスモデル
レナウングループは、衣服等繊維製品事業とその他の事業を営む。【事業内容】衣服等繊維製品関連事業は国内と海外における子会社を通じて製品の製造、販売、外注加工、検査と検査指導、品質管理と品質判定、物流業務全般と清掃・保守管理業務及び商標権の管理等を行う。同社はまた国内と海外における子会社を通じて投資及び資産管理、保険代理店業務等を行う。楽天証券より引用
衣料品販売の他にも物流や資産管理、清掃業や保険代理店などビジネスを多角化させていました。
多角化が一概に悪いとは言い切れないところがビジネスの難しいところです。
しかしながら、企業自身が経験もないよく分からないビジネスに手を出し始めた時は要注意です!
KDDIの銘柄分析はこちらから
-
-
【9433】KDDIは長期投資銘柄なのか!?〜個別株分析〜
皆さんこんにちは!ゆとり薬局です。 今回の日本株分析は大手通信会社KDDIです! auやMVNOなどのモバイル事業を展開している安定銘柄ですね。 非常に高配当なところも魅力の一つです。 ...
商品が売れても代金を回収できない
引用:https://ameblo.jp/gekifutoriyagineko/entry-12597584381.html
今回のレナウンの経営破綻の背景には中国企業との取引が大きな影響を及ぼしています。
上の図をご覧ください。
レナウンが売った原材料の代金を間接的ではありますが回収不能に陥り、親会社も保証できなくなり、ついに白旗をあげてしまいました。
レナウンはコロナによって破産したイメージが強いですが、数年前から財務状況は非常に苦しんでいました。
さらにそこにコロナの追い討ちがかかり、ついに引導を渡してしまいました。
事業規模
- 時価総額:89.1億円
- 従業員数:連結905人
- 設立:2004年
企業の歴史はもっと古く、創業は1902年にまで遡ります。
レナウンの業績・指標を決算書からチェック
ここからはレナウンの業績をみていきたいと思います。
これまで同様、5段階評価(1〜5)の通信簿形式です。
指標としては、売上高、当期利益、ROE、ROA、財務健全性、割安性から考察していきたいと思います。
各指標の右側の数字が評価値となっています。
売上高【2】
売上は緩やかに右肩下がりと言ったところでしょうか。
しかし潰れるようなグラフに見えないところに怖さがありますね。
当期利益【1】
やはり売り上げに対して、利益が全くあげられていないところが破綻の要因ですね!
赤字の負担が許容範囲を超えてしまったようです。
Googleの銘柄分析はこちらから
-
-
【GOOGL】Googleは長期投資銘柄となるか〜米国株分析〜
皆さんこんにちは!ゆとり薬局です。 今回は米国株のGoogleについて長期投資できるか銘柄分析していきたと思います。 Googleといえば言えばGAFAの一角で、YouTubeやGoogleマップなど ...
ROE【1】
- 2015 -0.45
- 2016 2.22
- 2017 -2.40
- 2018 5.34
- 2019 -16.55
ROEも各年によって非常にばらつきが大きく、尚且つマイナスが多すぎますね。
これは見抜くポイントになりそうです。
ROA【1】
【ROAの推移(%)】
- 2015 -0.27
- 2016 1.31
- 2017 -1.44
- 2018 3.09
- 2019 -9.10
ROAでも同様のことが言えそうです。
ネオモバなら、株価が高い銘柄を単元未満株で購入することができます!
財務健全性【1】
- 自己資本比率 47.4%
- 有利子負債 2,585百万円
- 利益剰余金 -26,153百万円
- 営業キャッシュフロー -4,567
- フリーキャッシュフロー -1,373百万円
自己資本比率は47%とまずまずなところが大変怖いですね!笑
有利子負債もパッと見少ないです。
しかし、特筆すべきポイントは営業キャッシュフローがマイナスなところと、利益剰余金がマイナスなところですね!
自己資本比率だけでは決して判断してはいけませんね!
割安性〜現状の株価とPER〜【3】
続いては株価を見てみましょう。
- 株価:20円(20/05/19現在)
- PER(連):--倍
- PBR:0.13倍
株価はPERで判断がつかず。
PBRは1倍を割って0.13倍となっています。
これは手元の純資産よりも割安に株価がついていることを意味しますね。
この状態でもシケモク買いとして投資する人たちはいるようです。
株主への還元は?
続いて株主への還元をみてみましょう。
配当利回り&自社株買い
配当はここ数年行っていませんでした。
とにかくここ数年は利益がなかったのでかなり苦しい状況だったのでしょうか。
総評【1.5】〜利益が継続的に取れない企業の経営はやはり難しい〜
レナウンの長期投資の評価をまとめてみました。
- 売上高:2
- 当期利益:1
- ROE:1
- ROA:1
- 財務健全性:1
- 割安性:3
総評【1.5】
アパレル老舗メーカーとして知名度も高く、人々に貢献してきた歴史も長いが、ここ数年利益があげられず非常に苦しい財務状況であった。
企業の不調を見抜くポイントとしては営業キャッシュフローと利益剰余金がマイナスであることがあげられる。
ビジネスは一寸先は闇であり、今後は上場廃止される予定であるが、レナウンの今後の再建に注目していきたい。
ということで今回の銘柄分析のレナウン編はいかがでしたでしょうか。
このような企業を取り扱うのは大変心苦しいですが、投資を始めてから初めて上場廃止する企業であるので、今後の情勢も逆に見守っていきたいと思います。
本日も以上です!最後までお読みいただきありがとうございました!